中古マンションを安く買う方法! 値引き交渉成功のために必要な知識とノウハウ

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中古マンションの値引き術

中古マンションの購入を検討している人のほとんどが、1円でも安く買いたいと思っているかと思います。

だけどそもそも中古マンションって新築より割安なのに値引き交渉ってしていいの?どの程度の値引き幅で交渉すべきなの?と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は中古マンションを購入する際の値引きを成功させるために知っておくべき知識とノウハウについて解説いたします!

具体的な検討を始める前に正しい値引き術を身につけておくことで、適正かつお得に中古マンションを買えるようにしておきましょう。

値引きのために重要なポイント

中古マンションのイメージ

1. 売主の状況を把握する

中古マンションの場合、大前提として売主が“法人”なのか、“個人”なのかが非常に重要です。

法人の場合、仕入れ代金(=購入代金)やリフォーム、クリーニング代金、その他税金など様々な事情を鑑みたうえで、過去の知見を生かして販売価格を決定しているため、売り出して日が浅い物件では値引きしてもらえる可能性は低いです。

一方個人が売主の場合、売却の理由や事情は様々でそこに値引きの勝機があるので正しく把握しておきましょう!

1-1. 売却の理由は何か

個人の売主の売却理由は「子どもが生まれて手狭になったから住み替える」、「急な転勤が決まり手放さなくてはいけなくなった」、「マンションを売却して老後の資金をつくりたい」など千差万別です。

売主の売却理由を知っておくことで値引きのアプローチや金額が変わってくるので具体的な話をする前にきちんと把握しておきましょう。

ただし売却理由は非常にプライベートな領域なので、内見時に売主に直接聞いたりするのではなく、なるべく仲介会社の担当を通して失礼のないように聞いてください。

買主のマナーや印象によっては値引きの対応も変わってくるはずです。

1-2. いつまでに売りたいと考えているか

先述した売却の理由が転勤や転職など期限がある場合、売主は短期的に売却したいと考えているため成約金額を最優先にできず値引き交渉に応じてくれる可能性が高いです。

反対に売主が中長期的な住み替えを検討しており、急がないからとにかく高く売りたいという場合はやはり値引きは難しいといえます。

とはいえ、中古マンションの売却はおよそ1年間をめどに行うため、売り出してから日が経っている物件の場合は値引き成功の可能性が少し高くなります。

1-3. いつから売りに出しているのか

前項で説明した通り、中古マンションの売却活動はおよそ1年から1年半をめどに行われます。

それは売主が仲介会社である不動産会社に売却の相談をした際に、仲介会社からそのように勧められるためです。

なぜなら仲介会社は買主との間で結んだ「媒介契約(※)」によって一定期間に1回の報告が義務付けられるため、売れない物件を何年も担当したくはないのです。

そのため売り出しから1年が経過するころには仲介会社から売主に値下げの相談が入っている可能性が高く、値引きも成功しやすいといえるでしょう。

※媒介契約の種類や伴う義務などについては別の機会に詳しく説明します。

ざっくり値引きの可能性についてまとめると以下のようになります。

売主側の状況・売却進捗値引きの可能性
転勤や転職によって引っ越しが余儀なく、期限もある
離婚や死別によって家族構成が変わったため早く売却したい
子どもの入学(小学校、中学校)に合わせて学区を変えたい
売り出してから約半年~1年間が経過している
周辺の近しい条件の物件の価格相場よりも明らかに高い値がついている
売り出しから一度も価格更新がされていない
現在の住宅ローンが残っている、またはすでに住み替え先の住宅ローンがある
売主が購入したわけではなく相続した物件である場合
まとまった価格の値下げをした直後
特別な売却理由がなく成約価格を最優先している場合
売り出してから日が浅い物件

2. 販売価格の決まり方を知る

2-1. 値引き前提が当たり前

個人が売主の中古マンションの場合、“値引きを前提とした” 販売価格が付けられていると思ってください。

慣れた仲介会社の場合、売主に対して9割9分値引きが入る事実を伝えあらかじめ高めに値付けをするようアドバイスをすることが多いようです。(実際に私が売却した際もそうでした…)

そのため売り出しから価格更新がされていない物件は適正価格ではない可能性が高いので、そのままの金額で買わず一度は値引きの相談をしてみてください。

2-2. 仲介会社の思惑を知る

売主から売却の相談を受けた仲介会社はなるべく自社で請け負いたいがために、現実的な成約価格よりも少し高い査定額を出します。

また仲介会社は売主へ寄り添う姿勢を見せるために、査定額を松竹梅で段階的に出し、最も高値から始めるよう勧めます。

  • 松:査定額よりも高めなチャレンジ価格
  • 竹:現実よりも少し高めな価格
  • 梅:現実的な成約金額

当然売主は1円でも高く売れてほしいため、ダメ元で「松(=チャレンジ価格)」から売り出して、状況を見ながら「竹」>「梅」へと値段を下げていく流れがセオリーになっているようです。

3. 周辺の価格相場を知る

例えば500mlの「いろはす」が1,000円で売られていた場合、多くの人は850~900円値下げして100~150円で売ってほしいと交渉するのではないでしょうか。

なぜなら500mlのペットボトルの水はだいたい100~150円が相場だと知っているからです。

中古マンションも原理はまったく同じで、その地域の近しい条件の中古物件相場を知っていると、売り出し価格は適正なのか、値下げをお願いする場合どの程度可能なのかが分かるため、現実的な交渉ができ、成功する可能性が圧倒的に高くなります。

なので値引き交渉をする前には必ずその地域の中古物件を検索サイトなどで複数調べておきましょう!

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住まい検索サイトの王者「SUUMO(スーモ)」でもマンション価格を調べることができますが、大手のポータルサイトは他企業からの広告費で運営をまかなっているため、広告主に寄り添った情報がユーザーに届けられているのが現実です。

その点「住まいサーフィン」は広告主を持たないため、物件の“適正”な価格を調べることができます。

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4. 頑張って交渉してくれる仲介会社を選ぶ

ほとんどの場合値引き交渉は仲介会社を通して行うため、値引きが成功するかどうかは仲介会社の経験値や誠意に左右されます。

実際に仲介会社によって成約額に100万円単位の差があることもざらにあります。

なので、仲介会社に相談をする前に複数の仲介会社の評判や取り扱い実績を調べておくことが重要です!

※自身で直接売主に値引き相談するケースもありますが、個人間の売買だと度重なる値引き交渉がもめ事に発展する可能性もあるのでなるべく仲介会社を通して行うことをおすすめします。

5. 売主とのキャッチボールの回数を想定しておく

不動産売買は非常に高い取り引きなので、1回のやり取りで成約金額が決まることはあまりありません。

2回のまでのやり取りであれば一般的とされているため、売主はそれを見越した販売価格をつけている可能性が高いです。

なので、値引き交渉をするときは2回やり取りをすることを前提に希望額を伝えるようにしましょう。

例:4,380万円の物件の値引き交渉イメージ

6. 値引き額の相場を知っておく

6-1. 値引きの上限は約10%まで

値引き額の上限はおよそ10%までが一般的です。(4,000万円の物件の場合、400万円が値下げ額で値引き後の金額は3,600万円)

セオリーを無視した極端な値引きを要求すると売主からは相手にされなくなってしまうので、本気で購入したい物件であれば現実的な希望額を提示しましょう。

6-2. 端数はあってないようなもの

実は売り出し価格、価格更新時の価格の付け方は非常にあいまいです。

売り出し時に10万円単位まで明確に成約希望額を決めている売主は多くなく、仲介会社と相談をして決める際に具体的な金額を決めています。

ただし先述の通り販売価格は値引きを前提につけているため、10万円単位の違いは正直“気持ち”程度で決まっていることがほとんどなのです。(4,350万円にするか4,380万円にするかはお気持ちレベルということ)

極端にいえば10万円単位は丸々値切られるつもりで販売価格を決めているので、そこは買主側も強気で交渉してもいいといえます。

7. 物件周辺の街の状況を確認しておく

近いうちに採光面側に高い建物が建つことで日当たりが悪くなる、近くに大きな商業施設が建つことが決まっており、恒常的に目の前の道路が渋滞することが明らかであるなど、その物件にとってマイナスなことが近いうちに起こることが分かっていれば交渉の材料になります。

ただし売却する側からすれば大きな支障ではないため、あまりにもここを引き合いに出すと嫌悪されてしまう可能性があるので、あくまでも冷静かつ論理的に説明し、粘り強く交渉を進めてください。

必要な情報を事前に集めることが値引きのカギ

中古マンションの値引きを成功させるために必要なポイントは以下の通りです。

  • 売主の事情や売却の進捗を知る
  • 販売価格の背景を知っておく
  • 周辺物件の相場と比較する
  • よりよい仲介会社を選定する
  • 交渉は1回で終わらせようとしない
  • 一般的な値引き幅を知っておく
  • 物件周辺の開発計画を調べておく

いずれも個人の調査では限界があるため、仲介会社の担当者を通して調査してもらうようにしましょう。

その時の対応の質やスピード感、真摯さによって継続的にお付き合いしていけるかどうかの判断指標にもなるので一石二鳥です。

必要な知識を身につけて可能な限り希望額で中古マンションを購入してください!

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